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   2004年7月15日号
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座右の銘
「この一日を貴重な一日に」
 座右の銘というからには有名な格言やことわざを紹介できればよいのでしょうが、それらしい言葉が思い当たらないので、今回紹介する言葉がこのコーナーの主旨に沿っていないかもしれないことをまずはお詫びしておきます。
 この言葉と私の出会いは8年前、当時4歳の長女が突然血液のガンである白血病を発病・入院したときでした。当時の私にとって白血病というと、ドラマなどで薄幸のヒロインが罹って不幸な結末を迎えるというイメージしかなく、どのような病気なのか、有効な治療方法はあるのかなどほとんど知識はありませんでしたから、病名を聞いただけで絶望感と無力感で一杯でした。それでも、主治医からの病状や治療方針の説明を理解するためにも勉強しなければと思い、書店の医学書コーナーで解説書を探したのですが、私や妻のような素人には難解な学術論文ばかりでした。そんなとき、主治医から紹介された本がこどもの患者向けに書かれた「君と白血病」という本(医学書院、細谷亮太訳)で、そのサブタイトルがこの言葉「この一日を貴重な一日に」です。
 この本は、白血病に罹ってしまったこどもに対して、白血病とはどういう病気か、どのように治療するか(骨髄移植等)などイラストを使ってわかり易く説明するもので、こども向きとはいえ下手な気休めやごまかしは一切なく、患者に必要な情報が網羅されているうえ、この病気になったのは君のせいじゃないんだよ、病気とのつきあいは長くなるけど一緒に頑張ろうよ、と励ますものでした。私たち親も、この本に大いに勇気づけられ、主治医の説明に際しては常に傍らにおいて文字通り「座右の書」として参照し、長女にも(病名こそ告げませんでしたが)読み聞かせ、自分がなぜ入院して治療を受けなければならないのか理解させるよう努めました。
 私の人生において、「死」というものをこれほど身近なものとして日々考えたのはこの時期が初めてでしたが、その対極にある「生」、すなわち、生きていることの素晴らしさや「いのち」の大切さも強く意識するようになり、厳しい治療の合間でたまに病状が落ち着いて外泊できたときには、「この一日を貴重な一日に」を実感しながら家族で楽しく過ごしたものでした。また、2年間の闘病・看病生活を通じて、長女をはじめ、小児病棟で辛い治療を受けながらも楽しく助け合って過ごしているこどもたちからも、逆境にあっても一日一日前向きに精一杯生きる姿勢とか思いやりの気持ちなど、多くのことを教わりました。
 最近、児童・生徒による重大事件が相次いで報じられて気が重くなることが多いのですが、こどもたちに対して一つしかない「いのち」の大切さというものを教えるのは私たち親の世代の務めであることを改めて自覚するとともに、この「座右の銘」とは裏腹に、普段ただなんとなく無為に過ごしてしまう日々がいかに多いことか、この機会に自ら省みて気持ちを新たにしたいと思います。(管理局 艦船武器課長  森 佳美)

コンサート開催のお知らせ 東京音楽隊
 海上自衛隊東京音楽隊は次のとおり「ファミリーコンサート」を開催します。
 〈日時〉平成16年9月24日(金)
 〈時間〉18時30分開演(18時00分開場)
 〈場所〉東京簡易保険ホール ゆうぽうと
 〈曲目〉「懐かしき映画音楽の世界」他
 〈指揮者〉熊崎博幸、田辺眞道
 〈入場料〉無料(入場整理券が必要)
 〈応募方法〉往復はがきに住所、氏名、年齢、電話番号を記入し申し込む。8月13日(金)必着。応募は1名につき1枚までとし、応募多数の場合は抽選。整理券1枚で1名様入場。不備はがき等は返信致しかねます。
 〈応募・問い合わせ先〉〒158−0098東京都世田谷区上用賀1-17-13 海上自衛隊東京音楽隊「各」係 TEL 03-3700-0136

東京の空を満喫
ヘリコプター体験搭乗
<市ヶ谷駐屯地>
 中央業務支援隊(隊長・宮崎悟介陸将補)は5月29日、朝霞訓練場で東部方面航空隊と朝霞駐屯地業務隊の支援を受け、ヘリコプター体験搭乗を実施した。
 当日は、天候も良く絶好の体験日和。参加者は駐屯地近隣町会・駐屯地協力会などの70名で、パイロットからヘリコプター(UH-1H)と経路の説明を受けた後、2機に分乗、5フライトを体験搭乗した。
 また、今回のヘリコプターのパイロットの一人は女性自衛官で、女性搭乗者の中には驚きと羨望の眼差しで説明を受けていた者も見うけられた。
 同訓練場を離陸したヘリコプターは荒川沿いに東京上空を飛行、眼下に上野動物園、東京ドーム、東京都庁やサンシャイン60を見ながら約20分間の空路を順調に飛行し無事着陸した。

HOME'S English Class(防衛ホーム英語教室)
I FEEL OUT OF PLACE HERE
アイ フィール アウト オブ プレイス ヒア
ここは場違いな感じだな
 Hi!皆さん。お元気ですか。沖縄は連日30度をこす暑い日が続いています。10分ほどの外出でも、しっかりと日焼けします。2ヶ月前の給水制限が前回の台風の慈雨で解除され、いまでは、ダムの貯水率も100%です。本土では天候が不順で、なかなかすっきりとした天気とはならないようですが、今のうちに夏へ向けての体力練成はいかがでしょうか。
 さて、今回の表現は、“I fee1 out of p1ace here”「ここは場違いな感じだな」です。p1aceは「場所、立場、境遇、身分」などを表します。out of〜は、〜の外、以外という意味ですから、場違いという意味になります。単に、自分のカラーと相容れないという感じですから、自分を卑下する表現でもありません。率直に「違うな」と感じた時に使ってみてください。退席する時の、いい言い訳になるかも知れません。英語国では自分のことを黙っているのは、誤解されたり、貧弱なイメージで見られます。自己主張するところはしっかりとしなければ、個人対個人の付き合いはなかなか上手くいきません。
 本土の梅雨明けにはもうしばらくかかりそうですが、健康にはくれぐれも留意しお励みください。沖縄へこの夏の観光は、かなりの数が増えそうです。皆さんも沖縄に来てみてください。See ya!(陸幕防衛部在沖縄米海兵隊司令部キャンプ・コートニー勤務)〈スワタケル〉

雪月花
 「はいさい」という那覇防衛施設局の広報紙が毎月届けられるのが楽しみだ。こんにちはという意味で丸五年を過ぎた。発行は当時の北原巌男局長(現官房長)の発案だった。創刊号をみて、僭越ではあったが気のついた点を編集担当者に話したら、すぐに次号からそのようになっていた。かかわりとも言えないそんな気持があったので、はいさいには特別な思いを感じている。五年の間に編集者も代っているはずだがトーンは引き継がれている。入局者や退官者を紹介するイラストもうまい。今の岡崎匠局長のそれは詐欺まがいの美男子ぶりで、ご愛嬌だった。印刷もきれいになり、カラフルで易しい解説は大変楽しい、勉強になる。「直言」というコーナーでは在沖の報道記者が歯に衣を着せない原稿を寄せている。那覇局は中央一極集中体質だ、那覇では答えられないというぶっきらぼうな答えが多い等々関係者にはグサーッとくるようなものが載っているのだ。最新号では、国頭村の森林組合長が、たらい回しにしないで早く土地を返してくれとも書いている。那覇局の四五〇人も沖縄県民一三三万人の仲間なのだからみんなが本音を出しているのだろうか。今、一号からのバックナンバーを取り出してみると生きた歴史を感じ、当時の争点へ振り返ることができる。「はいさい」は弊社の貴重な資料として保存している。いつまでも続けてほしい、そして一人でも多くの人に読んでもらいたい。(所谷)

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