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   2004年6月15日号
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防商連 九州支部 総会開く
 5月22日、防衛商業者連合会(防商連)の九州支部(古川八夫支部長)の総会が北九州市小倉のホテルで、行われた(=写真)。
 九州地区支部の総会は、九州各地区(沖縄含む)の持ち回りで実施しており、防商連になって今年で15回目で、支部総会には九州沖縄各県の陸・海・空自衛隊の各売店会から85名の会員らが集まった。
 総会は当初、コンビニ部・食堂部など10種の専門部会毎に集まって会合を実施し、会員が抱える諸問題の発表、討議を行った。その後、支部の事業・会計報告、新商品等の紹介を行なったあと、小倉駐屯地司令(二見弘幸1陸佐)が自衛隊の現況・イラク情勢について卓話を行った。休憩後、防商連本部会長、陸自西方総監部の共済班長(稲毛文男事務官)との懇談を実施、多くの質疑応答があり充実した総会になった。
 総会終了後、懇親会が開催された。築城基地業務群司令(尾上定正1空佐)の挨拶に続いて小倉駐屯地業務隊長(大崎幸雄2陸佐)の乾杯で会が始まり、終始なごやかな雰囲気の中で盛会裡に終了した。

空自創立50周年記念演奏会開く
<空中音>
 航空中央音楽隊の演奏で「空自創立50周年記念演奏会」を次のとおり開催します。
 〈日時〉7月30日(金) 開場17:30 開演18:00
 〈場所〉すみだトリフォニーホール(JR錦糸町駅徒歩5分)
 【第1部】▽ブルー・インパルス…斉藤高順▽世界初演「オマージュ」…渡部哲哉▽航空自衛隊イメージ・ソング発表▽交響詩「空の精霊たち」…小長谷宗一
 【第2部】▽客演指揮:アメリカ空軍(ワシントンD.C.)軍楽隊長デニス・M・ラインデッカー大佐▽世界初演:ユーフォニアムと吹奏楽のための作品/作曲 村田陽一ユーフォニアム独奏 外囿祥一郎1空曹…他
 〈お問い合わせ先〉〒190-8585立川市栄町1-2-10 航空自衛隊航空中央音楽隊(TEL042-524-4131内線(292)

<論陣>
ひとつの銀行が日本の信用を潰す
UFJの猿芝居に幕
 わが国4大銀行のひとつUFJ銀行の経営赤字が当初の予想を大きく上回り4,028億円にもなった。これまで大銀行は赤字になっても、幹部のスキャンダルが発覚しても、銀行の上層部数人が、記者会見し、「これから正常化に努力します」と深々と一度頭を下げるだけで、本当の意味での責任をとろうとしなかった。
 ところが、こんどは、そんな甘い考えは金融庁など監督官庁には通じなかった。銀行の最高幹部である寺西正司頭取、持ち株会社のホールディング社杉原武社長ら経営陣10人が経営不手際の責任をとって辞任。おまけにこれら辞任幹部には、1円も退職慰労金(退職金)が支払われないことになった。ほとんど利子も付けないで市民の虎の子を預かり、じぶんたちが作った赤字(不良債権)の穴埋めをし、高い月給をとり、高級車を乗り回していた無責任経営者に鉄の斧が下るのは当り前のことである。
 UFJ銀行は旧三和、東海などの銀行が合併した。銀行の株式は、上部の持ち株会社が持ち、持ち株会社が銀行幹部と話し合いながら、UFJグループ各社を経営してきた。持ち株会社ホールディングは営業をせず、経営指導、決算、予算整理のための会社であった。
 2003年8月、金融庁は国民の税金(公的資金)を注ぎ込んでいる銀行の検査を始めた。UFJの検査は一見、順調に進んでいるように見えた。ところが、3年10月初め、事態は一変する。金融庁に1本の電話がかかってきたのである。「UFJ3階の奥まった部屋を調べなさい。重要な秘密資料が山のように隠されていますよ」。
 直後、金融庁の担当官がUFJに出向いた。言を左右にする行員を押しのけ3階の部屋へ−−。そこには電話どおりの融資先の内部資料、ダンボール100箱以上が山積みされていた。
 金融庁の担当官が調べると、その資料内容は、それまで銀行側が説明していた数字とは大違い。実際に銀行が抱えている赤字は当初の予想より1,000億円以上も多かった。金融庁が"改善"を要求すると、銀行幹部は、小手先の芸で金を集めようとした。取引先企業の株を売って現金化し、目先きの穴を埋めようとしたのである。
 少しむずかしい話になるが、公的資金を借りている銀行が、3期続けて赤字欠損を出すと、経営陣は、経営責任をとって辞任しなければならない。これが金融庁と銀行側がとり決めた約束であった。しかし、これまでは銀行側の甘い説明を聞くのが官庁側。強力に責任追求まではほとんどしなかった。「まあ、天下り先の確保などの問題もあったのでしょう」とOBの一人は語る。
 UFJの場合、経営上、もうひとつの大きな課題がのしかかっていた。「このままでいくとUFJは外国通貨の売買、外国貿易の決済ができなくなるのではないか」ということだった。ここで『自己資本率』の言葉が出てくる。むずかしくなるが企業などに貸しているお金を分母(100)とし、銀行の資本金や財産などを分子とする。分母に対して分子が8%以下になると、その銀行は外国通貨の取引きができなくなってしまう。もちろん"借金も財産のうち"ということわざどおり、銀行にとって、貸付けて回収できない不良債権は、まともに「足をひっぱる分子」になる。そこで、UFJは、なんとしても、決算上、赤字幅を少なくし、できれば"8%以上"になるように見せたかったのである。
 国の監視も、これまでのように金融庁ひとつだけではなくなっている。監査のエキスパートだけが集まっている法人(グループ)も、こういう場合の決算に加わっている。より公正を期すためである。この法人に5月に入って外国からの情報が入ってきた。「アメリカやイギリスの金融当局が、UFJ銀行のゴタゴタを知り、UFJ不信に陥り始めている。早急に対策をたてないと日本金融界全体の問題になる。監査法人と金融庁は早速手を打った。黒字であるUFJ信託の売却、UFJ経営陣の辞任、8%の確保。甘い体質の中で育ってきた銀行マンにとってはショックだったかも知れないが「これが世の中なのである」。もう、銀行万能の時代は終った。

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