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   2003年12月1日号
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砕氷船『しらせ』出発
東京・晴海埠頭
5カ月間、南極観測の途へ
紙テープが舞う晴海の岸壁から地球を半周する航海へ出発する「しらせ」
 「行ってまいります」艦長・原口一之1海佐の決意の一声が東京港晴海埠頭HL岸壁に響き、砕氷艦「しらせ」が11月14日、第45次南極地域観測協力へと秋風を切って出航した。総行動日数151日、南極圏行動日数99日、総航程は地球半周分に相当する。原口艦長と171名の乗員が一致協力して人員・物資の輸送を支援。科学の発展に海自が今年も貢献する。28日までにオーストラリアの港町、「カプチーノ・ストリート」の街並みと「フリオ」の愛称で知られるフリーマントルへ。12月3日からさらに南へ舵を取り、8日に南極圏突入。12月中旬には氷縁に到着し、神田啓史観測隊長以下64名の人員が厳寒の昭和基地に入る。
 復路では67名の帰国隊員を輸送し、廃棄物なども持ち帰る。16年3月上旬に出発し、3月15日には南極圏を脱出。3月26日にシドニーを発ち、赤道を越えて4月12日に東京晴海に戻る。
 滞在中の各種支援作業は白夜の下で行われる。野外では、観測に必要な人員や機材などを空輸する。また基地作業では、昭和基地の建設工事、機器整備作業やS-16(内陸旅行拠点)での荷受作業を支援するほか、観測小屋建設のために資材約8トンを輸送する。さらに海洋では、停船観測など、艦上で行われる各種調査を支援する。
 今次の観測では、巨大気球実験や深層コア掘削により、宇宙や地球の成り立ちの謎に迫る。またリュツォ・ホルム湾沿岸地域の野外観測では、海成堆積物を詳しく解析し3万年以上も前の南極がどのような姿だったか、解明に期待が集まる。
 多くの関係者、報道陣が集まって行われた出航行事では10時40分に横須賀地方総監・齋藤隆海将が「しらせ」に乗艦し、飛行甲板で海上幕僚長、古圧幸一海将の訓示を代読した。日頃の成果を発揮し活躍を期待すると述べ、隊員の家族には、もし心配があれば何でも横須賀総監へ相談してほしいと続けた。
 11時40分から文部科学省主催の出航行事が埠頭で行われ、原口艦長が一致協力の決意を述べて挨拶。拍手が贈られた。
 快晴だが風が強く、艦から陸へ渡す紙テープは風にながされ、海自隊員の強肩で勢いよく見送り客の列にテープが投げ込まれると、喝采が起きていた。
 音楽隊が。「イカリを上げて」「聖者の行進」「軍艦マーチ」を演奏し、「蛍の光」でいよいよ出航となった。11時50分、隊員は甲板に整列して敬礼。見送りの家族や恋人は、艦体が見えなくなるまで手を振っていた。〈入船浩之〉

「防空の要」米射で実証
第1高射特科団
参加全中隊「優秀合格」収める
 第1高射特科団(団長・伊藤隆1佐)は、第1高射特科群(群長・天草洋1佐)が、9月13日から28日の間301高中・303高中に対し、第4高射特科群(群長・門司佳久1佐)が、10月11日から26日の間315・316高中それぞれに対し、米国ニューメキシコ州マックグレゴワ射場で平成15年度ホーク部隊実射訓練検閲を実施した。
 各中隊は「一撃必墜」を合言葉に、昨年の全中隊「命中」に続けとばかり年度当初から厳しい訓練を積み重ね、一致団結・指揮旺盛かつ元気溌刺に実射訓練検閲を受閲した。(写真)
 今年度の成果は、1高群301高中が各評価平均点全国第2位、4高群315高中の模擬実射評価も全国第2位に輝くなど、すばらしい成果(参加全中隊が「優秀合格」)を収め、北海道「防空の要」としての確かな実力を実証し本年度の検閲を無事終了した。

「目本地雷処理を支援する会」
読売国際協力賞に輝く
 日本地雷処理を支援する会(会長・西元徹也元統幕議長)が第10回読売国際協力賞に輝いた。同会(JMAS)は、カンボジアでの地雷や不発弾処理にあたっている特定非営利活動法人(国際NGO)で、会長、土井義尚理事長以下自衛官OBの有志が私費を投じて一昨年9月に創設。これまでに1万5千発以上の不発弾を処理してきた。
 贈賞式は10月30日、東京・帝国ホテルで行われ、西元会長へ内山斉・読売新聞東京本社社長から賞状と副賞500万円が贈られた。西元会長は受賞の挨拶の中で「国際平和協力は国家の重要な活動であることから、今後とも政府、民間一体となった平和活動の一端を担っていきたい」と抱負を述べた。また、オク・ベット駐日カンボジア公使は「地雷や不発弾による事故を減らしただけでなく、地方の人々の生活向上に貢献している」とJMASの活動を称えた。
 〈JMAS東京事務局〉〒162-0845東京都新宿区市谷本村町4の1市ヶ谷会館本館4階 電話 03・5228・7820FAX03・5228・7821
URL:http://www.jmas-ngo.jp/

自衛隊音楽まつりに出演
韓国陸軍軍楽隊が入間到着
 11月22、23日の両日、東京・日本武道館で開催される「自衛隊音楽まつり」に参加する韓国陸軍軍楽隊が11月14日、同国輸送機C-130、CN235各1機で埼玉県の空自入間基地に来日した。
 午後12時30分過ぎ、同基地エプロン地区で田中伸芳副司令はじめ、小野賢司第2輸送航空隊司令、武田晃2佐以下中央音楽隊メンバーら約500人が出迎える中、韓国輸送機が到着。空軍輸送機部隊指揮官のカンシンジョン大佐以下17名の乗組員、ファンイングン少佐以下50名の軍楽隊が次々と地上に降り立った。
 一行は出迎えの拍手を浴びながら、日韓隊員同士、固く握手を交わし、舞台で共演する中央音楽隊の手作りの旗と、韓国語による心のこもった歓迎ぶりに感激の表情を見せていた。中央音楽隊の佐藤運用訓練班長は、「音楽まつりの調整を重ね、実際に会える日を心待ちにしていました。顔は知らなくても名前を呼んで迎えました」と息を弾ませて話していた。
 その後、軍楽隊は都内の宿舎へ直行、カン大佐をはじめとする幹部クルー17名は第2輸送航空隊との防衛交流行事に参加した。
 輸送機2機はいったん帰国後、23日に再来日。翌24日に軍楽隊を乗せ帰国する。
 韓国軍楽隊来日は、海、空に続いて3度目となる。

引き続き、ご協力を
龍志さんを支援する会
 本紙6月1日号(第620号)に掲載した「龍志さんを支援する会」の石見代表から御礼の投稿がありましたので、ご紹介します。
  ◇ ◇
 統合幕僚主任教官・加古龍三1海佐の長男・龍志(たつゆき)(20歳)さんは、皆様からの多大なご支援ご声援をいただき、8月22、23の両日、千葉県で開催された「ボッチャ日本選手権」のBC3クラス(最も重度なクラス)において優勝し、昨年に引き続き2連覇を達成しました。
 その後、10月28日から11月8日の間、ニュージーランドで開催された障害者スポーツ「ボッチャ」ワールドカップに日本代表として出場しました。本人の体調はベストコンディションにはほど遠く、個人戦においてはBC3クラス参加者52名中36位、ペア戦では、参加18カ国中11位という成績に終わりました。アテネ・パラリンオリンピックへの出場権も得られず、誠に残念な結果となりましたが、この経験を今後の糧として、本人は次の北京に向けて意欲を燃やしています。
 本年5月以来、龍志さん支援の趣旨にご賛同いただきました多くの皆様から多大の支援金並びにご声援を賜りましたことに対し心から厚く御礼申し上げますとともに、今後ともよろしくご支援ご協力の程お願い申し上げます。
 (「龍志さんを支援する会」発起人代表統合幕僚学校教官 1海佐 石見次郎)
 〈連絡先(現金書留の送付先〉〒153-8933東京都目黒区中目黒2-2-1 防衛庁統合幕僚学校「龍志さんを支援する会」代表 石見次郎 TEL 03-5721-7006(8-75-3523)FAX03-5721-3256
 〈支援金振込先〉郵便振替 00150-0-314552「龍志さんを支援する会」

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