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   2003年12月1日号
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<練馬駐屯地>
就職援護最前線
汗と工夫の企業説明会
全国地連も作戦ひと工夫
 大卒の就職率が55パーセントと聞いてもいまさら驚きもない。超氷河期、リストラ、フリーター、…日常語として定着し、すでに10年。だが長引く不況に感覚が慣れても、就職援護の厳しさにマンネリは一切許されない。厳しい就職戦線に挑む任期制隊員と援護官、熱い闘いの最前線をリポートする。

厳しい就職戦線に挑む
 こわばった表情で志望動機を話し、熱心に会社の説明に聞き入る。次回の面接は−−。企業の冷静な値踏みに、内に秘めた熱意で面接するのは181名。各駐屯地から集まった任期制隊員たちだ。11月19日、練馬駐屯地体育館で今年度2回目となる合同企業説明会が行われた。156社の企業が参加し、各社ブースを訪れた隊員と個別面談した。自衛隊援護協会東京支部と東部方面隊主催で行われ、平成8年に全国にさきがけて実施されて以来、年に2回ずつ行われている。
 午前9時から開始され、まずは主催者の挨拶。参加企業、とりわけ毎回参加の企業に感謝を述べたのは、援護協会・西田憲正東京支部長。災害派遣やPKOで国の任務を達成した者として隊員たちを見てほしいと挨拶した。次に東部方面援護業務課長・樋口徹1陸佐が登壇し、説明会への理解と協力を訴えた。続いて東京地連部長・用田和仁陸将補が挨拶し、出会いを祈念するとともに予備自衛官制度への理解も求めた。
 全般にわたる説明の後に隊員たちが堰を切って入場し、希望する企業の机に向かい個別面談。また会場にはPCによる職業適性診断やUターン、Iターンの相談コーナーが設けられ、相談員に熱心に質問する隊員の姿が見られた。
 「すでに上下関係に慣れて教育されているので基礎は十分。なによりもやる気」と某企業担当者。また、隊員たちの住居も選考のポイントだという。
 一方で隊員たちの志望はどうだろうか。ひとり4社から7社ほど、多い人はそれ以上面談している。また「職種よりも場所」という声も聞かれた。「故郷で就職したい。(地元に)支社のある企業を1社だけ面談した」という。「人生かかってるんでしっかり考えたい」。
 他方でブランドイメージのあるサービス業種に行列ができる傾向も。また、あらかじめ配布の求人票を見て福利厚生のしっかりしたところに人気が集まったようだ。
 「正社員、月給制、福利厚生。援護として、これはまず確保してあげたい」と言うのは東京地連の仲井利明曹長。「雇用状況がよくなる兆しは残念ながらまだありません」と厳しい情勢にふれつつ「援護の仕事は防衛庁の看板を背負った第一線です。隊員の家族にこれほど感謝される職種はありません。やりがいがありますよ」と語っていた。
 8年間で蓄積された経験が生かされ、求人票や面接予約カードなど利用方法が整備されシステマチック。会場も業種ごとに色分けされ、機能的に進行した。
 通勤が近くスキルや資格のある場合は企業から逆指名も。それぞれの駐屯地ごとに集合した担当官は予約カードと指名カードの整理に追われ、「また逆指名!」という嬉しい悲鳴も聞かれた。(入船浩之)


<埼玉地連>
企業説明会 プロジェクトX
 企業86社、任期制隊員76名、10月16日大宮駐屯地にて。県内に約26万社ある企業を任期制隊員に提示しないのは「怠慢である」とし、就職希望隊員の役に立ちたいとの思いで合同企業説明会を計画した。計画実行は初の挑戦。「隊員のために」を合い言葉にチラシ約7万枚を作成・配布し企業への個別訪問などを精力的に行った。「ニーズに合う業種・職種の企業開拓を行い、たくさんのマッチングが可能なように頑張ります」「援護担当者の皆様、埼玉地連の来年の合同企業説明会に期待してください」

「援護担当者を教育」
 セミナーを受講し講師に(株)日本マンパワーの行政事業支援課長を招聘。CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)の資格を有する就職支援のプロは再就職支援要領、就職援護のポイント、自己分析の重要性を説いた。参加した援護官は「就職援護の方向性を見出すことができた」


<愛媛地連>

辛口意見も今後の糧
 8月29日、会場を今回から松山駐屯地から松山市内のコミュニティーセンターに変更。アクセスと効率性を工夫した。愛媛地連と援護協会広島支部が主催で企業説明会実施。20名の任期制隊員、12企業、ハローワーク松山から統括職業指導官が出席した。規律正しく真剣に取り組む隊員の姿は好評。一方で一部企業からは「自己アピール不足」「覇気不足」など辛口意見も。今後の隊員指導のもとになる事項も把握でき有意義な説明会となった。

<群馬地連>
経済人と意見交換
県内景況を痛感
 時事通信社主催の内外情勢調査会に参加し県内主要官公庁と企業経営社との意見交換。月例会の形式で毎月実施されているもの。前日銀副総裁でエッセイストでもある藤原作弥氏が講演し経験とユーモアを交えてバブル不況以降の金融政策について解説した。講演後の懇談では、日銀前橋支店長を中心に県内景況について意見交換。今後の援護業務遂行に有益な情報を得て、経済関係者からの情報収集の必要性を痛感した。

新プロジェクトで募集拡大
期待のホープ 亀井1尉が挑む
<東京地連>
 東京地連亀井律子1尉は、平成15年8月1日付で同部募集課に新設された基盤開拓プロジェクト長として勤務している。
 亀井1尉は、一般2士として婦人自衛官教育隊(当時)に入隊後、3陸曹を経て、平成5年、3陸尉に任官。そして、陸上自衛隊発足以来、部内選抜幹部の女性としては初めて指揮幕僚課程試験の難関を突破し、本年7月に卒業した。
 亀井1尉は、「各種募集基盤開拓全般に関わる総合的な施策の案出」「東京都庁との連携の強化」「学校基盤の開拓」「新たな協力団体の開拓」に携わっている。既に、募集基盤となる東京都庁等の自治体、学校関係者、社団法人東京青年会議所などの部外協力者と団体を訪れ、連携に当たっている。上司の募集課長・河津祐之介1佐は、「持ち前の積極性、芯の強さと女性ならではの柔らかさで未開拓分野を切り拓いていってほしい」と亀井1尉に期待する。
 亀井1尉は、今後の抱負について、「厳しい募集環境の中、優秀な隊員を一人でも多く入隊させるためには、第一線で活躍する広報官の努力をバックアップできるような本部の体制が必要になります。そのためにも未開拓の部分・空白の部分を見つけ出し、創造性と行動力を発揮して現場と一体となって開拓業務を進めていくことが必要です」と熱く語った。
『基盤開拓プロジェクト』
 基盤開拓プロジェクトは、学校基盤の開拓のみを目的としていた学校係(幹部1名、陸曹2名)を、今年8月1日、更に基盤を広くするために「基盤開拓プロジェクト」として新たに幹部1名を増加して組織を編成したものである。新たな協力基盤の開拓として東京都庁との連携の強化など範囲を拡大し、中・長期的な視点でプロジェクトを実施している。

東京地連 特集
台東出張所が進路フェアに参加
 9月27日、旧台東中学校で区内の約500人の中学生が集まる中、台東区立中学校PTA連合会主催による「上級学校進路フェアー'03」が開催され、台東出張所が広報コーナーを展開し、広く自衛隊をPRした。
 この企画は区としても初めての試みで、区内の中学生に対し167校の高等学校・専門学校が集まりそれぞれ説明・相談会を実施した。
 台東出張所長・才藤1尉をはじめ担当広報官は「モーニング娘。」の自衛官募集ポスターを前面に自衛隊生徒の説明・相談コーナーを開設し、訪れた中学生の対応に追われていた。

採用試験最盛期
広報官の努力実る
 東京地連は、今年度自衛官採用試験の最盛期を迎え9月20日、曹候補士1次に885名、一般曹候補学生1次に612名、20日・21日の防衛大学校推薦に38名、21日・22日の男子2士に585名、23日の航空学生1次に58名、そして27日の女子2士には275名の学生等がそれぞれ受験した。
 また、9月1日・9日には一般・技術幹部候補生の合格発表が行なわれ目標数を上回る合計58名が合格した。前年度を上回る今回の成果は、各自治体との連携を図り、学校開拓を推進する核募集事務所長をはじめ広報官の地域に根付いた募集広報活動が実ったものである。

新宿区長と連名委嘱が実現
4市町で継続
 東京地連は8月29日、東村山市役所で細淵一男市長と用田部長との募集相談員連名委嘱式を行い、7名の募集相談員に委嘱状を手渡した。
 10月6日には清瀬市役所で委嘱式が行われ星野繁市長との連名による委嘱状が3名の募集相談員に手渡された。東村山市、清瀬市とも4回目の継続となり、21日には昭島市で4回目、22日には大島町で5回目の委嘱式が行われた。
 また、28日には関係者の尽力により新規に新宿区中山弘子区長との委嘱式が東京地連本部庁舎会議室で行われ、当日出席した10名の募集相談員に対し委嘱状が手渡された。

朝霞体験搭乗
 東京地連は9月14日、朝霞訓練場で東部方面航空隊の支援を受け、UH-1J2機による体験搭乗を実施し、初めて参加した学校関係者や援護関連企業主などに広く自衛隊をPRした。
 当初、体験搭乗は13日に予定していたが、強風のため中止。翌14日へ延期となった。
 午後1時10分、朝霞訓練場へ集まった搭乗予定者80名が見守る中、UH-1J2機が降着。東方ヘリ隊長・田中2佐をはじめ乗務員等によるブリーフィングが行われ、参加者はヘリコプターの性能緒元から安全管理について見聞を広めた後、それぞれヘリコプターをバックに記念撮影をしたり、穏やかな一時を過ごした。
 体験搭乗は、午後1時40分から5フライトに分かれて行われ、搭乗した人達は眼下に広がる絶景と大空の散歩を満喫し、改めて自衛隊に対する理解と認識を深め帰路に着いた。

父兄会三多摩地区
3周年を記念する構造物
 8月8日、自衛隊父兄会三多摩地区協議会(島田昭重会長)は「3周年を記念する構造物」として支部会員の協力により、松本建装ビル屋上(国立父兄会・松本保夫代表)に『日の丸を含む自衛官採用』募集大看板を設置した。
 同募集看板は、中央高速道路国立インター入り口左側、同ビル屋上に掲示され、縦一・二メートル×横四・八メートルと大きいため、自衛隊のアピールと自衛官志願者の増加に繋がるものと大いに期待が寄せられている。

オリジナル・キャラ
車両ステッカーを作成

 11月下旬から、東京地連の車が変わる。車種?塗装?答はこのミニ・キャラクター。「集え、若人!」と大書された45×18センチのマグネットプレートを広報室で製作。このちびキャラが地連の車を飾る。
 広報室の幸松秀典事務官がデザインした人懐こいミニキャラで、男の子と女の子、陸海空それぞれの制服姿で愛嬌をふりまく。
 かつて漫画を志したこともあるという幸松事務官。「若い人に親しみを持って受け入れてもらえれば」と抱負を語る。
 今後は東京地連の車輌にくっついて都内に出没。募集の最前線で大活躍の予定。

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