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   2003年10月15日号
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<家庭のひろば>
あなたにもできる!
女性達の護身術
大声、手技、足技
 セクハラ、痴漢、暴力などから身を守る護身術を学習する女性達が増えている。市民団体「リアライズYOKOHAMA」では、女性が女性のために伝える自己防衛プログラム「WEN-DO」(WOMEN道)の指導を始め、人気を呼んでいる。
まず大きな声で
 助けを求めたにもかかわらず女性が殺されてしまった事件をきっかけに30年ほど前にカナダで開発されたのが「WEN-DO」で、いろいろな武道の型を取り入れ実践で役立つスキルを女性の指導者から学ぶ。
 「えいっ」「おー」「やめろ」。3時間のワークショップは思い思いの言葉で大きな声を出しこぶしを振ることから始まった。どんな場合も息を止めず落ち着いて、できるだけ大きな声を出せばそれだけで相手は必ずひるむというアドバイスに、30代から50代の女性18名がおなかの底から声を出す。
相手をひるませる
 いくつか手技を練習した後、足技も学ぶ。立って前にキック、後ろにキック、横になり蹴り上げる。武器としての手足は必ず肉のついた柔らかいところを使う。骨ばった固いところで殴ったり蹴ったりすると自分自身もケガをするので要注意だ。わずかな力で相手をひるませるには、痛みを感じたり、筋肉がつかないところ、例えば顔なら目、鼻、口、耳、あご、その他、首、鎖骨、わきの下、背骨、後頭部、腰、股間、ひざ、すね、足の甲などを狙う。
 「何か変だなと思ったらできるだけ早く逃げること。どうしても逃げられない時に自分を守るために行動する。女性は力が弱く抵抗できないと思い込まされているが、ちょっとしたコツで力を出すことができる。暴力は身近な人から普段の場所で起こることが多い。」と代表者の橋本明子さん。
思ったより簡単
 防御方法、手首をつかまれた時のはずし方、首をしめられた時のはずし方と具体的なスキルの練習の合間に、WEN-DOの歴史、セクハラやレイプについての話も取り入れ、あっという間の3時間だ。
 「思ったより簡単でできそうなことを短時間で学べる。帰ったら娘に教えたい」「万が一のとき自分にも何かできると力がわいてきた。身近にこういう場をもっとほしい」と参加者。
 少しでも心構えがあれば、危険から身を守ることにもなる。

<社会時評>
「変わる縞婚規範変わらぬ母親役割」
聖隷クリストファー大学杜会福祉学部教授  中野 英子
 晩婚化の進む中で結婚しない女性も増えてきました。最近は、晩婚化が一層進むと同時に非婚化も進むという新しい段階に入ってきました。これが高齢者のめざましい死亡率改善とあいまって、高齢化を加速度的に進める大きな要因になっています。
 ▽揺れる価値観
 女性がなぜ結婚したがらないのか、最近発表されたいくつかの調査結果から、結婚や結婚生活に対する若い世代の価値観が揺れていることを読みとることができます。
 例えば、国立社会保障・人口問題研究所が5年毎に行っている「結婚と出産に関する全国調査」によると、生涯独身容認派や結婚前の性体験容認派が着実に増えて、結婚に対する社会規範が弱体化しています。
 また、「夫は仕事、妻は家庭」という役割分業も、意識としては急速に支持を失いつつあります。しかし、現実には結婚した女性が仕事を辞めて家庭に入ることは、現在でも女性の最大の選択肢ですし、日本の若い夫婦の共働きに対する意識は非常に保守的であるという報告もあります(「世界価直観調査」世界74カ国で5年に一度実施)。
 その一方、「結婚したら子どもを持つべきだ」とか「子どもが小さいうち母親は家庭にいるべきだ」との伝統的な母親役割は、少しずつ弱まってはいても依然、圧倒的に支持されています。とはいえ妻たちは家族のために自分の生き方を制約されることに強い抵抗があり、夫や子どもとは違う自分だけの目標を持つべきだと考えています。
 ▽男女関係は解放
 これらの意味することは、女性達は従来の結婚観や男女関係(性規範)についてよ伝統的な規範から解放されつつあっても、家庭における子どもの必要性や子育てにおける母親役割意識からはまだ解放されるに至ってないということです。
 母親役割に縛られながらも、それとは相反するような自己主張との矛盾、あるいは相克が、女性達に結婚や出産をためらわせていると思えます。若い女性が置かれているこの現状が非婚化を招く一因としたら、個を重視する規範の変化を社会がしっかり受け止めることがなにより大切になります。

<家庭メモ>
 【おならの臭い点検】
 高タンパクの食事を取り続けていると、腸内細菌の中でも悪玉のウエルッシュ菌などが増え、悪臭の元になる有害物質を作り出す。おならが臭いときは肉などのタンパク質を減らし、野菜やでんぷん質を多く取ること。
 【食器の整理】
 夏の食器はひとまとめにして片づけ、秋らしい食器に取り替えておくと、季節感も出て、多く収納しすぎて取り出しにくくなっている食器棚の整理にもなる。
 【オリーブ油を上手に】
 バージンオイルは加熱すると香りが強くなりすぎるので生で使う。単にオリーブ油としてあるのは精製したものなので加熱料理に向く。ピュアオリーブは両者の混合なのでどちらにも利用できる。

=事故情報の開示を=
交通事故被害者の会
 2002年度警察白書によれば、交通事故件数は約95万、死者約9千人、負傷者は約118万人を数える。その中で事故がどのように処理されたのかなどの情報が被害者に対して十分に情報公開されていないのが現状だ。この問題の解決を求めて、このほど交通事故の被害者や家族を中心に被害者団体が結成された。「交通事故調書の早期開示を求める被害者連絡会」(事務局・神奈川県相模湖町、電話0426・85.3811)の設立集会が今年8月に東京で開かれ、会員や活動を支援する国会議員、弁護士ら約100人が参加した。
 飲酒運転にはねられて2年近く意識不明の兄のいる鬼沢雅弘代表は「刑事訴訟法第4条は捜査記録の公判前の開示を禁じているため、警察が事故直後に現場検証して作成する実況見分調書が捜査段階で開示されない。遺族らは起訴、不起訴が決まるまで事故状況を知ることができない」と同会設立の目的を話した。
 そして交通事故で家族を失った会員がそれぞれのケースを報告。
 その一人、福井市の小学6年生の宮地貴弘君は昨年9月、自転車に乗り、自宅近くの交差点で女性が運転する乗用車にはねられ意識不明のまま今年に入って亡くなった。両親は今年5月に初めて警察署から「昨年12月に不起訴になった」、福井地検からは「貴弘君の飛び出しが原因」との説明、があった。「目撃者は当時小学4年の男児の話だけであとは加害者の言い分だけ。現場にブレーキ痕がないなど納得いかない」と両親。
 鬼澤会長は「実況見分調書や車、遺留品の写真など客観的な資料を提供しても捜査に支障は出ないはず。米国では発生から約2週間で公開される。被害者や遺族が納得のいく捜査が行われたのかどうかを確認するためにも早期に開示してほしい」と訴える。
 さらに家族が交通事故に遭ったときのアドバイスとして「実況見分の現場に立ち会い、捜査の状況をチェック、目撃者を探す努力も必要。加害者への行政処分や刑事裁判の経過についても『被害者通知制度』を利用して積極的に情報を求めること」を挙げる。

遊びながらリハビリ
コミュニケーションを玩具で
プレイケア専門員養成
 高齢者や障害者の生活の質を高めるため、がん具が役立っているが、使う人の年齢や身体状況、ケアの目的に応じて効果的にかつ楽しく遊べるものを選択するのは案外難しい。利用者に合ったがん具をえらび、遊び方について的確なアドバイスをする専門員が今、期待されている。
〈選び方・遊び方〉
 何もなければ会話もとぎれがちだが、がん具ひとつあるだけでそれを通じて会話がはずみ、さらには仲間も増える。がん具は人とひとを結びつけ安らぎの場を提供する大切な道具だ。ところが福祉施設で働く人でさえ、どんながん具があり、どうやって遊ぶか知らない人が少なくない。
 玩具福祉学会は、がん具を使った遊びを通じて福祉活動のできる専門職の必要性を唱え、プレイケアセンターを立ち上げ、この7月からプレイケア専門員の育成を始めた。
 こどもの城(東京)で7月に開かれた第1回プレイケア専門員養成講座には、ケアマネージャー・介護福祉士・看護士など福祉関係従事者や福祉系の大学生・ボランティアなど43名が参加。
 「社会福祉の基礎知識」「現代人の生活と健康」「現代社会と玩具」「高齢者・子どもの心理と生活」「玩具のあゆみと変遷」「玩具と安全」「プレイケア専門員の役割」を3日間かけて勉強、年内に1日実習があり、終了後は玩具福祉学会より認定証が発行される予定だ。
 老人ホーム、デイケアセンター、シニアサロン、ヘルパーを対象にした遊びの講習会、小児病院のプレイルームなど、今後彼らの活躍ぶりが期待される。
〈幅広い人材育成〉
 「高齢者の遊びについての情報が余りに少ない。こんな簡単な布きれでリハビリにもなる」と色とりどりのハンカチ3枚を空中でくるくる回してくれたのは玩具福祉学会の川崎陽一さん。
 お手玉だと早く落ちてくるので難しいが、ハンカチなのでキャッチしやすく、この動作で背中のそうぼう筋を使い脳が活性化されるという。現場で必要とされているがん具やそのノウハウなどできるだけたくさんの情報をプレイケアセンターから発信してゆく。
 同センターでは専門員の養成だけでなく今後彼らのスキルアップも支援し、認定制度を確立。施設での指導、講習会の実施、学生に対して学校で授業を行ったりする幅広い人材育成を考えている。

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