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   2003年2月1日号
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自衛隊史跡めぐり シリーズ
広報資料館 久留米駐屯地
 陸上自衛隊久留米駐屯地が所在する久留米市は、九州最大の川「筑後川」左岸に発達した歴史豊かな町です。歴史も古く、今から一万数千年前にさかのぼり、旧石器時代、縄文時代、弥生時代の多数の遺跡・土器が発見され、国指定の古墳等が各地にあります。駐屯地内にも歴史街道なる参勤交代道「坊津街道」(鹿児島県坊津を基点)跡が駐屯地中央を南北に走っています。
 また、尚武の地とも言われ、戦前には陸軍第12師団・第18師団司令部が置かれました。九州でも第1の軍都として栄え、日清・日露の戦役に始まり太平洋戦争に至るまで約50年間、幾多の武人を輩出しています。
 明治30年歩兵第48連隊配置以来105年の歴史を持つ久留米駐屯地。今や近代的隊舎に変わりつつある中、駐屯地内には旧軍等関係の記念碑、当時を偲ぶ兵舎が大小数棟残り今も活躍しています。その中の1棟を広報資料館として開放しています。
 この建物は、明治30年4月に建てられ、旧歩兵第48連隊の連隊本部として使用され、昭和27年、陸上自衛隊久留米駐屯地開設に伴い特科第64連隊本部、昭和29年から部隊改名により第4特科連隊本部として昭和50年まで使用され、同年から広報資料館として使用しています。この間、旧隊舎の取り壊し等の計画もありましたが、市民の方々の強い要望もあり壊さず現在に至っています。
 広報資料館に足を運ぶと、最初に出迎えてくれるのが旧久留米偕行社(陸軍将校クラブ)の玄関に使用されていた門灯で歴史を感じさせる一品です。最初のコーナーは旧歩兵第48連隊長室で、復元された軍旗及び歴代連隊長の写真を展示しています。
 各コーナーとも歴史の重みと先人のご苦労を肌で感じることができ、明治、大正、昭和の旧軍郷土部隊の資料、特に太平洋戦争における菊兵団、(第18師団)、龍兵団(第56師団)、第12師団等の貴重な勇士等の数々の資料1,369点を展示しています。各展示室は、歴代12師団長の写真、肉弾三勇士、軍装品の数々、将官直筆の掛け軸や屏風、千人針、戦場絵はがき、軍票等、旧軍関係を主に、自衛隊関係資料等も合わせ16コーナーに分けて展示しています。
 展示品の数々は、陸士出身の方々やご家族及び関係者各位のご厚意により出展していただいているものや寄贈された品々です。
 広報資料館の回りを見渡しますと、歴史を感じさせる105年の桜の老木が生い茂り、春になると花を咲かせ、隊員や市民の目を楽しませてくれます。また、久留米市の観光コースの一つとして年間数千名の見学者が訪れ歴史を偲んでいます。
 <開館時間>月曜日〜金曜日0800〜1700(土曜、日曜、祭日については申込によります)
 <お問い合わせ先>TEL0942-43-5391内線380,448(FAX448)

少工校239名が現地訓練
リーダーシップの体得目指す
愛国心の高揚図る史跡研修も
東北方部隊や会津藩、東照宮など
仙台駐屯地で佐伯司令(生徒8期)から「友情の大切さ」の訓話を受ける
 少年工科学校(校長・武田正徳陸将補)では、第2学年(47期)生徒239名が、11月5日から8日まで、東北地区で部隊現地訓練を実施、部隊の実情を認識して、3学年時の専科(電子・機械)教育及び卒業時の職種選定の資とするとともに、史跡研修により日本国の歴史・文化に対する認識を高め、あわせて愛国心の高揚を図った。
 霞目駐屯地において、元生徒隊長、東北方面ヘリコプター隊長河野1佐による航空隊の概要及び飛行展示訓練等の研修を行い、また仙台駐屯地においては、大先輩である生徒8期生の佐伯駐屯地司令から「友情の大切さ、チャレンジ精神の重要性」等の訓話を受け、次いで防衛館の施設及び国防史、東北方面通信群で通信職種の概要、第2陸曹教育隊の概要、訓練状況、生活隊舎を研修し、さらに大和駐屯地では、第6戦車大隊の概要及び戦車部隊の整備状況をそれぞれ研修した。各部隊においては、懇切丁寧な説明及び心暖まる応対等により生徒は第一線への思いに心を強くしていた。
 また史跡については、晩秋のみちのくを満喫しつつ、福島県会津若松の鶴ヶ城・飯盛山・日新館で明治維新における会津藩の働きを、松島周辺では、瑞厳寺、五大堂の沿革・歴史をまた平泉中尊寺の施設及び歴史を研修し、最後は日光で東照宮の沿革・歴史をそれぞれ研修した。
 この訓練を通じて2学年生徒は第一線部隊の現況と日本の歴史と文化を体感するとともに、同期生の絆を一段と深め後期の学習にはずみをつけ、フォロアシップからリーダーシップの体得を目指して少工校生活を送っていく決意を固めた意義ある東北現地訓練だった。

防衛ホーム 俳句コーナー
 家々の溺れしごとき深(み)雪かな  鈴木 芳江
 猿廻し見てゐる猿のこころもて  辰己 蒼湖
 水仙の花もさかりの東慶寺  大元 百合子
 雪女郎現れさうな無人駅  柴垣 干風
 農を継ぐ息子と母と春田打つ  西田真由美
 生きること喜ぶごとく木の芽吹く  生嶋千代女
 巫女どもの火鉢一つの拠  今井 文和
 燦燦(さんさん)と日差しを受けて草芽吹く  滝澤 紺沙
 幸福はどこにでもあり園の梅  中條 弘道
 木枯や駅に着くたび車両滅り  吉永 紅市
 ここだけの話聞きをり犬ふぐり  米田ふさゑ
 どの径(みち)を出ても梅の香天城越え  久保田 紀子
 楽しみに鍬を振りたる古稀の春  福島初五郎
 雪国の話上手な薬売  桐村四萬枝
 節分の豆どこからか落ちてきて  小西 多恵
 寒雀小さきは転ぶやうに翔ち  松崎 利加
 夕東風の疲れ門限なき農婦  佐藤 泰之
 遠山も村も包まれ冬霞  藤澤うらら
 一粒の涙も重く去年今年  西村 榮治
 住み古し家にひとりの豆を撒く  石田 孝子

選者吟
 あたたかく人にそれぞれ道ありて  保坂 伸秋

      (「栃の芽」誌提供)
 「栃の芽」誌をご希望の方は<栃の芽会連絡先=防衛庁技術研究本部第4研究所・畠中草史氏・TEL042・752・2411>へご連絡下さい。


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